社交不安症(SAD)
社交不安症とは、注目が集まるような状況で強い不安や緊張、恐怖を感じ、人からどのように見られているかを必要以上に気にしてしまうもので、動悸、発汗、胃腸の不快感、下痢、紅潮などの不安症状が現れます。
では詳しく見てみましょう。
社交不安症の主な診断基準
基準1
他者の注目を浴びる可能性のある1つ以上の社交場面に対する、著しい恐怖または不安。
基準2
該当する社交場面における自分の振る舞いや言動が、他者に否定的な評価を受けるだろうと恐怖している。
基準3
該当する社交場面ではほぼ常に恐怖や不安が起きる。
基準4
該当する社交場面を積極的に回避しようとするか、または強い恐怖と不安を感じながら耐えている。
基準5
社交場面への恐怖や不安はその社交場面がもたらす現実の危険や、社会文化的背景に釣り合わない。
基準6
これらの恐怖や不安の感情や回避的な行動が6ヶ月以上続いている。
基準7
各種症状により苦痛を感じたり、日常生活、社会的活動に支障をきたしている、
基準8
各種症状は薬物などの外的要因によってひき起こされているものではない。
基準9
各種症状の発症原因が他の身体疾患・精神疾患では説明できない。
(DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアルを参考に作成)
社交不安症の人が苦手意識を感じやすい状況
・人前で話す、発表する、プレゼンなど
・上司やあまり面識のない人と接する
・人目に触れる場所での飲食
・電話対応
・人前で字を書く
・周囲に人がいる場所で用をたす
社交不安症の原因
社交不安症の原因はまだはっきり分かっていませんが、恐怖症状を抑える働きのある神経伝達物質であるセロトニンのバランスが崩れ、神経が過敏な状態に置かれるからではないかといわれています。その要因として、過去に人前で恥ずかしい思いをした。などの環境要因、真面目で責任感が強い、心配性で完璧主義、他人の目を気にしすぎるなどの性格的要因、又、遺伝的要因なども挙げられます。
社交不安症の治療
社交不安症は”性格の問題で治らない”と思い、未治療のまま放置されることも少なくありません。適切な治療をすれば治るこころの不調であることを知ることが大切です。
治療には薬物療法と精神療法があります。
薬物療法
脳の神経伝達物質のバランスを整える作用があり、不安症状を改善する効果のある、SSRIを服用します。効き目はゆっくりで数週間から数ヶ月かかります。又、効果が出ても症状の再発を防ぐために一定期間飲み続ける必要があります。
精神療法
認知行動療法や心理教育などを行い、不安に陥りやすい思考を別の見方ができるようにしたり、不安の対処を工夫したり、不安に慣れる訓練をしたりします。


