うつ病
うつ病とは、気分が落ち込み何をしても楽しめない、不安・焦り・イライラ感、無気力、意欲の低下、悲観的に考える、口数が少なくなる、外見や服装を気にしなくなる、仕事でミスが増えるといった精神症状とともに、不眠、食欲の減退、頭痛、動悸、めまい、腹痛、胃の不快感、性欲減退、下痢・便秘、生理不順、腰痛、疲れやすいなどの身体症状が現れ、日常生活に大きな支障をきたすのが主症状です。
うつ病の診断基準は、抑うつエピソード(コチラの抑うつエピソードの診断基準を参照)を示すことと、各種症状の発症原因が他の身体疾患・精神疾患では説明できないという事が基準となります。
又、抑うつエピソードの間欠期間と回数によって単一エピソードと反復エピソードという分類があります。
単一エピソード
抑うつエピソードが1回あり、その後抑うつエピソードの基準を満たさない期間が2ヶ月以上ありそのまま2回目の抑うつエピソードがない状態。
反復エピソード
抑うつエピソードが1回あり、 その後抑うつエピソードの基準を満たさない期間が2ヶ月以上あり、更にその後抑うつエピソードの2回目、3回目が起きる状態。
うつ病の原因
様々な研究によって分かっていることは、うつ病を引き起こす原因はひとつではないということです。
感情や意欲は脳が生み出すものです。うつ病は脳のエネルギーが欠乏した状態で、脳というシステム全体のトラブルが生じてしまっている状態とも考えられます。具体的には、脳の神経細胞どうしでやり取りされる神経伝達物質のセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンのバランスの乱れが関係している可能性があります。
非常に辛い出来事が発症のきっかけになることが多いですが、それ以前にいくつかのことが重なっていることも珍しくありません。生活の中で起こる様々な要因が複雑に結びついて発症してしまいます。
まずは「環境要因」です。
人間関係のトラブル(学校や社内でのいじめ)、受験や仕事での失敗、失恋や離婚、大切な人の死や離別、喜ばしいこと(結婚、妊娠、進学、就職、昇進、引っ越しなど)であっても大きく環境が変わるとストレスが生じうつ病を引き起こすきっかけになることもあります。
次に「性格傾向」です。
仕事熱心、凝り性、完璧主義、几帳面、他人に気を遣いすぎるような性格の持ち主は、うまくいっているうちはいいのですが、成果が出せない状況が生じるとストレスをうけて発症の危険が高まります。
その他、「遺伝的要因」「慢性的な身体疾患」も発症要因のひとつです。
うつ病でかかる診療科
うつ病は日本では15人に1人が、一生のうちに一度はかかる病気と言われています。身近な病気ですが、一方で自分ではなかなか気づきにくいものです。又、気づいても周りの人に迷惑をかけたくない。という思いから1人で抱え込み誰にも相談できずにいるケースもあります。
うつ病の治療も早期発見・早期対応がとても大切です。
そこで、身近な人の気づきが大変重要になってきます。
うつ病の場合、「精神科」「心療内科」「メンタルクリニック」などで診察を受けることが出来ます。
うつ病では本人が思うように説明出来ないこともありますので、本人の生活をよく知る身近な人が付き添って受診すると良いでしょう。
うつ病の治療
うつ病の治療には「休養」「薬物療法」「精神療法・カウンセリング」があります。
休養
十分な休養をとって心と体を休ませることはうつ病治療の第一歩です。
仕事を休んで療養したり、職場の配置転換や、仕事を軽減し残業をなくしたり、家事を分担してもらったりすると良いでしょう。
うつ病になる人の性格上、自宅療養をしていても、家族に迷惑をかけて申し訳ないと落ち着かない場合には、一時的に入院するほうが良いこともあります。
薬物療法
うつ病の治療には休養が不可欠ですが苦痛な症状により十分な休養が取れないこともあります。又、脳の機能的不調を改善し症状を軽減するためにも薬物治療が行われます。
日本で用いられる主なうつ病治療薬は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)と呼ばれる「抗うつ薬」です。その他にも症状に合わせて、「抗不安剤」「睡眠導入剤」「非定型抗精神病薬」「気分安定剤」などが使用されます。
うつ病の治療薬は薬を飲んですぐに効果が現れるものではありません。おおむね2週間ぐらい効果が現れるまでかかると考えましょう。効果が現れないからと服薬を中止したりせずに一定期間継続することが大切です。
精神療法・カウンセリング
精神療法・カウンセリングは主に再発予防という観点が中心となります。
同じような状況で、うつ病が再燃・再発しないように自分自身の思考パターン・行動パターンを見直し、悪循環を断ち切る方法を学びます。
うつ病の治療の期間は「急性期」「回復期」「再発予防期」と大きく3つの期間に分かれると考えられます。
急性期(診断~3ヶ月程度)
急性期に一番重視するのは休養。休養を取りながら適切な薬物治療を開始することで1~3ヶ月ほどで症状が軽快するのが一般的です。
回復期(4~6ヶ月)
調子が良い日の翌日にまた悪化する。といったように症状に波があり、一進一退を繰り返しながら徐々に改善していきます。
再発予防期(1年~)
回復期を過ぎ、症状が安定して社会復帰を果たすことが出来ても、まだ油断はできません。うつ病は再発しやすいため回復期を過ぎても1~2年間は薬物治療を継続して再発を予防しながら調子のいい状態を維持する必要があります。
うつ病にならないようにするために
十分な睡眠をこころがけ、自分の性格や考え方を知り楽観的な考え方を意識する、規則正しい生活をする、1人で抱え込まず相談する。
うつ病についての幅広く正確な知識を身につけることで様々な対策が可能になります、うつ病について多くの情報を得てうつ病にならない対策をしましょう。


